産地の技術を結集して生まれる、ナカモリの多重ガーゼ
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- 三河木綿を新たなステージへ~ナカモリの最新設備と産地の枠を越え生まれる多重ガーゼ~

愛知県蒲郡市にある織物メーカー、有限会社ナカモリさんを訪問しました。大日本市でも人気の『BLANKED』に代表される、柔らかなブランケットや多重ガーゼ製品がどのように作られているのか。産地の枠を越えて生まれる製品に迫ります。
時代とともに変遷する主力製品と「多重ガーゼ」への到達

ナカモリさんの歴史は、現代表のおじい様の代にさかのぼります。当時は「ガラ紡」からスタートし、高度経済成長期の波に乗って、スーパー向けのカーテンやジャカードシーツなどのインテリアファブリックを数多く手掛けていました。
その後、ホテル向けのテーブルクロス(化繊)へと主力製品を変え、それがヒットして幅広の織機を導入するなど成長を遂げましたが、次第に中国など海外製品にシェアを奪われるようになります。
さらに綿毛布などの寝具へとシフトしてヒットを生み出すものの、やはり中国製の安価な後続品に取って代わられるという厳しい価格競争の波にさらされてきました。
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代名詞とも言える「多重ガーゼ」
そうした中で約20年前にたどり着いたのが、現在のナカモリさんの代名詞とも言える「多重ガーゼ」。先代の時代から試行錯誤を重ね、柔らかさや独特の風合いを持つ多重ガーゼを作り出しました。現在では寝具を主力として他社には真似できない品質を誇っています。
最新鋭の機械とデジタル技術が生む圧倒的な開発力

工場内に足を踏み入れると、最新鋭の電子ジャガード織機の音が鳴り響いています。耐久性や性能に優れたイタリアやフランス製のジャガード織機は、生地そのものに柄を織り込み、糸の凹凸や陰影、手触りで柄を感じられる複雑な製織を可能にしています。また多彩なたて糸による再限度の高さも特徴で、OEM等で依頼される複雑なデザインにも対応しています。
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最新のデジタル技術を用いた開発力
ナカモリさんの最大の強みは、柄を表現するための専用デザインシステムを導入し、データの作成をすべて内製化している点にあります。専用のパソコンソフトを使い、複雑なイラストレーター等のデザインデータを織物用の組織データに変換し、事前にパソコン上で織り上がりのシミュレーションを行うことができます。 これにより、圧倒的なスピード感と自社開発力を実現し、小ロットでのオリジナル柄の生産にも柔軟に挑戦できる環境が整えられています。
最初から愛着を感じるオリジナルブランド
「BLANKED」

主力製品のひとつであるオリジナルブランド「BLANKED(ブランケット)」には、ナカモリさんのこだわりが凝縮されています。ブランド名があえて「BLANKED」と過去形になっているのには理由があります。
それは「子供の時から使っていて、大人になっても『あれ良かったな』と思い出してもらえるような愛着の対象になってほしい」という願いと、「最初から使い込んでエイジングされたような風合い」を表現しているためです。
独特の風合いと高い吸水性を生み出す秘密は、こだわりの「洗い」の工程にあります。通常の仕上げで使われる水を弾きやすい柔軟剤を使わず、たっぷりの水と優しい酵素を使って時間をかけて洗い上げることで、購入した最初からふんわりと肌に馴染む柔らかさと、驚くほどの吸水性が引き出されています。
産地の枠を越え、強みを掛け合わせる新たなものづくり

かつての繊維産業は、一つの産地内で全ての工程が完結する分業制が成り立っていました。しかし現在では、そのサプライチェーンは崩壊しつつあります。それでもナカモリさんはこれをネガティブに捉えるのではなく、他産地の強みを掛け合わせて新しい便益を生み出す道を選びました。
現在では、たて糸のサイジング(糊付け)を静岡で行い、糸染めを愛知県一宮で、製織をナカモリさん(蒲郡)、糊抜き工程を名古屋、縫製は再びナカモリさんで行われ、最終の酵素洗いを今治で行うなど、産地の域を越えたリレーによって一つの製品が生み出されています。時間もコストもかかりますが、最高のものを作るために各地の技術を結集させているのです。
日本各地の産地のリレーを終えた生地は工場の二階で丁寧に検反、縫製されて製品になっている。
「織り上がり=製品」となる生地への挑戦

各工程でロット(最低生産数量)の壁が立ちはだかる現状に対し、ナカモリさんでは新たな挑戦も始めています。 それは、事前の糊付けや後工程の洗いを必要としない特殊な処理済みの糸を使用し、「織り機から出てきた時点ですぐに製品化できる」状態を作る取り組みです。この糸を使ってベビー用のスタイやスリーパーなどを織ることで、外部工場に依存するロット数にとらわれず、在庫ゼロで「1枚からオリジナルの柄を織る」という究極の小ロット生産が可能になるといいます。
時代の変化に合わせて新しい技術を取り入れ、進化を続けるナカモリさん。担い手不足や分業の崩壊という課題に対し、産地の技術を結集して挑むその姿が、ものづくりの未来を照らします。
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