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コロナ禍でリアル展示会になかなか足を運べない中、目利きたちの目を借りて今の日本のものづくりを眺めてみようという企画を立ち上げました。
その名も「目利きに挑戦!登竜門コース」。
世に出て間もない商品達を、ものづくりに関わる3人のプロが本気でレビューします。
method事務所の一角に勢揃いした全国の衣食住のアイテム。突如出現した1日だけの展示会場を舞台に、早速レビュー開始です。
「これは欲しい」から「ここが惜しい!」まで、期待を込めて3人が語った全レビューが、こちら。
コマをクリックするとブランド 公式HPに移動します。
そちらよりお問い合わせください。
時に辛口なコメントも、今後への期待の現れ。ここからは全12点の中から3人が「これは」と思うアイテムをセレクトします。 まずはひとりずつ、「磨けば化けそう」なポテンシャルを感じるアイテムと、自分でも欲しくなる、好印象なアイテムを選んでいただきました。
山田:「本業のカーペット周りではない、ある意味遊びのアイテムだから、失敗してもいい。これくらい飛躍するのもありかなと感じます。これまでと真逆の方向に一度石を投げてみたという点でチャレンジを評価したいですね」
原田:「持ち手の使い勝手が少し気になりましたが、プロダクト自体は愛嬌があってかわいい。自分たちでも改善点はわかっていると思うので、ここからブラッシュアップに期待したいです。デザイン面では柄の部分にロゴが必要か、要検討かなと思います」
最所:「コロナ禍では衛生面を考慮して割り箸を使う機会も増えたように思います。『でもよくある割り箸ではなくもう少し高級感のあるものがほしい』という方向けに、720円で手軽にいいものを使えますという提案は喜ばれるのではないでしょうか。
お箸はもう少し細い方がいいかなという印象です(こちらは3人とも同意見でした)。パッケージは和紙で包むなど老舗らしさが感じられるデザインにすると作り手らしさが伝わるのでは」
ここで、3人でひとつのポテンシャル賞を選んでいただきました。「磨けば化けそう!」と背中を押されたのは・・・
山田:「素材の特性を生かしながら、造形で頑張ろうというところが評価できます。差別化できるのは何より、い草の香りですよね。それを生かすのはアクセサリーなのか、他にも方法があるのかは要検討。同じ装飾品でも、ブローチなんかもアリじゃないかと思います」
原田:「デザインなども外に出さずに自分たちでやり切っている。産地でがんばっている人たちのヒントになるんじゃないでしょうか」
最所:「ピンポイントでこのテイストが好きな人はいると思います。バッグなどに付けても良さそう。ただ、い草とわかりづらいのがもったいない。アクセサリーだとい草の消費量が少なそうなのも気になります。地域活性化や伝統の継承などの課題感から生まれた商品は、自分たちの根本的に解決したい課題と商品の設計が一貫しているかどうかが消費者からも厳しく評価される分野であるように思います」
山田:「今日見てきた中で一番よかったですね。グリグリと絞り切れる心地よさに驚きがあって、つくりも気が効いている。かもしかさんはこれまでのアイテムも見てきていますが、毎回安定していいものに仕上げているなという印象です」
原田:「使ってみると、とにかく吸水性がよく、使い心地も気持ちいいです。もうひとつ、デザイン面で評価したいのがタグの部分です。
ロゴやタグって、そのものを家に向かい入れた瞬間に要らなくなります。ここが悪目立ちしているプロダクトは案外多い。一方で、タオルなど気に入って買い換えるものはタグでブランド名がわかった方が使い手に親切です。
このタオルのタグは、必要な時に機能を果たしつつ、普段はジャマにならないシンプルさが気に入っています」
最所:「レビュー中ずっと付けていましたが、本当に気持ちいい肌触りですね。去年展示会で触らせてもらったパーカーもトロトロで心地よかったですが、顔に触れる分、余計に素材の良さを感じます。MとLサイズがありますが、私はLの方が優しく包まれている感じがして好みでした」
最後にお一人ずつ、全体を振り返ってのコメントをいただきました。
原田:「『品質がいい』のはみんな同じなんです。じゃあそれが誰にとって、どういうシーンでいいのか。みなさんのプロダクトを拝見して、パッケージなど商品の魅力を伝えるためのコミュニケーションが、まだまだ考え切れていないんじゃないかなという印象を受けました。
熟練した技術や産地の背景や歴史があることは見えてくるけれど、それがお店に並んだ時にどう見られるのか。興味を持った人たちがお店にアクセスした時に、得られる情報がもっと明確に、十分にあるといいなと思います。
それは商品パッケージやウェブサイト、SNSなど、発信するあらゆるメディアに言えることです」
最所:「そうですね。お店に並んだときという意味では、表面的な「今っぽい」デザインにしてしまうことで自分たちが持っている魅力や歴史を埋没させてしまっているケースもあるように感じます。
今売れるものを作ろうとすると、みなさんどうしても「若者向けに」「今っぽいものを」と考えがちなんだと思うんです。でも今っぽいデザインのアイテムはすでにたくさん売られていますから。むしろあえて「今っぽい」デザインではないものの方が差別化になり、作り手の技術や歴史を理解して買い物をしてくれる人が増えるのではないかなと。
「老舗感」って、新しいブランドには絶対に作り出せないんですよね。100年なら100年、歩んできた歴史の重みが老舗感ですから。手に取りやすいカジュアルなものを作るのもひとつのやり方ですが、長らく培ってきたからこそ見出せる普遍的なニーズを商品に反映させる方が結果的に「今っぽい」ものになる気がします。そのためには自分たちの商品や技術がが持つ、過去も今も変わらない価値を一度抽象化して考えるプロセスが必要になりそうですね。」
山田:「今回は老舗のメーカーさんも多くて、登竜門って感じはあまりなかったかな(笑)。でも、こうしてアイテムを出す前にレビューする機会ってとても大事だと思っています。本当は、まだ仕様を変えられる段階でレビューできるといいですよね。もっと前段階のプロトタイプで見て、レビューを挟んで修正をかけて世に送り出すとか」
それいいですね!と盛り上がる一同。メーカーさんをオンラインでつないで直にレビューを返してもいいかも、などのアイデアも飛び出しました。
今回のレビューを受けて、次回、このコーナー自体もバージョンアップして登場するかもしれません。
今回登場した商品は全て、会場に展示予定です。
気になった商品を触ってみたり、レビュアー3人の視点と自身の視点を重ねたり比べたりしてぜひお楽しみください。
実物を展示会場でご覧いただけます。ぜひ記事と合わせて導入検討の参考にしてください。
日程 | 6/23(水) 10:00~18:00 6/24(木) 10:00~18:00 6/25(金) 10:00~15:00 |
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場所 |
E HALL(東京都品川区東品川2-1-3)←受付はこちら 東京モノレール天王洲アイル駅[中央口]より徒歩5分 |
ご来場対象 | バイヤー ※密集を避けるため、ご来場は上記の方に限らせていただきます 【主催者・メディアによる撮影】 |