大黒様といえば、左に白い大きな袋を背負い、右手には打ち出の小槌。白いお髭に福々しい笑顔の、七福神のおひとかたとしても有名な、親しみやすいあのお姿を思い浮かべますよね。・・・・ある日、ここかしこは、ふと気づいたのです。冬の世界的な人気者、あの聖人にも、ちょっと似てるんじゃないかと・・・。ということで生まれた本作。その名も、「お着替え大黒」です。
もとはインドのヒンドゥー教の「マハーカーラ」という、主に破壊・戦闘・財福をつかさどる、青黒い恐ーいお顔の神様。密教や仏教にとりいれられて「大黒天」となり、日本に伝わる過程で「財福」の１面が強調され、憤怒相だったご容相も次第に福徳相に変わり、さらには「大国主命」と習合して、トレードマークの肩に担ぐ大きな袋も登場しました。アノ白い袋にはいったい何が入っているのか？！大国主命の因幡の白兎伝説では「他の神様たちの荷物」を持たされていたお姿と言われていますね。他の神様たちがこぞって求婚した八上比売は、そんな荷を背負わされている大国主命こそを夫に選んだのでした。農村でも、商家でも、五穀豊穣、商売繁盛、子孫繁栄・・・根源的な願いをこめて、福がつまった福袋として解釈されるようになった重たい荷物を担ぐ大黒様。人々の、生きる夢と希望と知恵が、「福」の名のもとに、あの神々しい白袋には詰まっているわけです。トナカイのそりに乗って煙突から入ってくるあの聖人の袋も、お国は違えど、人類共通のそんな温かな願いで大きく膨らんでいるような気がしてなりません。
お着替えの仕方はとても簡単です。小槌とプレゼントは差し込み式で取り換えることができます。優しく取り外ししてください。頭巾と帽子は、お着替えするだけ。