クスッと笑みがこぼれる。懐かしさの中にもポップさがある。まるで誰かに何かを話しかけているよう。障害のある人から生み出されるイラストや立体造形には、誰かに語りたくなるような不思議なおもしろさがあります。「Good Job!センター香芝」では、商品の形状や図柄をはじめ、商品名やパッケージなど、さまざまなところに障害のある人のアートがデザインに活用されています。ひとつの作品をきっかけに、いろんなクリエーターやつくり手の技術を介することで、このアートの不思議な魅力に磨きがかかった商品が生まれていきます。

伝統的な張り子づくりの製法をふまえながらも、3Dプリンターなどの新しいデジタル工作技術を組み合わせたものづくりを行っています。この独自の張り子製法によって、複雑な凹凸のある形状を一体的に造形したり、従来の木型を用いた製法では実現が難しいフォルムをつくることができます。また、障害のある人が制作に関わりやすいようにと工夫を凝らした道具の開発、職人のような高い技術や感覚を可視化するような環境づくりを行っています。必要な商品や道具を必要な分だけつくることができ、すばやく商品を試作したり、設計を改良するなど商品のクオリティやを研究し続けています。職人ではない障害のある人がものづくりに関わることで生まれる道具や製法によって、必然と新しい表現をまとった商品へと変化していきます。

「Good Job!センター香芝」の張り子シリーズは約40種のラインアップがあります。毎年新作が登場する干支、地元奈良の土地に由来し神話などに登場する神の遣い、招福を願ってモチーフをかけわせた縁起物などなど。張り子は日本の各地で見られるように、紙・のり・絵の具を中心にした身近な素材が使われていて、“いつでも、どこでも、だれでも”親しみやすい郷土玩具です。担い手が少なくなっている工芸職人、すぐれた手仕事を持った障害のある人、立場は異なれど課題と技術が組み合わさることで、社会や地域が少し豊かになればとの願いを込めて日々の制作にのぞんでいます。