富山県高岡は、真鍮やブロンズなどの「銅鋳物」の産地です。400年以上前から、仏像や、梵鐘（お寺の鐘）、仏具の制作を手がけてきました。「ここかしこ」の母体はそんな高岡の老舗神仏具問屋。様々な宗派のお寺様との代々のお付き合いも多く、大切な宝物や、次代に残る奉納品とのご縁をいただいてきたので、日々の資料研究や情報収集は欠かせません。この「ほとけさま」は、今からもう随分前、先代社長がある骨董市で出会い、その素朴なお姿に不思議と心惹かれたという、名もなき古いものの写しです。

ご身長10センチ。とても小さいです。
「小さな、趣きのあるほとけさまが欲しいのだけど・・」というご要望、実はこれまでにたくさんありました。ここかしこの考える、そんなほとけさまは、大袈裟でなく、いつもそばにいて手を合わせられるような、素朴なイメージで、現代の造形で新造するのも、原型を作家さんに依頼するのも、なんとなく違うかな、と長らく宿題になっていました。復刻は、軽い気持ちでできるものではありませんが、手を合わせる心の拠り所をお探しのお客さまに、届いて欲しいと願っています。

高岡銅器、400年の伝統技法。
古風な佇まいは、伝統工芸・高岡銅器の蝋型鋳造と着色の技術によるもの。漆を焼き付けて深みと表情を出す伝統技法のため、開封後はうっすらと漆の香りがしますが、徐々になくなります。手仕上げのため、表情には個体差があります。